「庭のうぐいす」のふるさと
福岡県南部を流れる九州一の大河・筑後川は、古くより地域に恵みを与え、文化を育み、人々を見つめてきました。その大量で清らかな水は良質な米を育て、筑後地方は、後に日本三大酒処といわれる程、多くの酒造場を世に送り出してきました。「庭のうぐいす」の故郷は、そんな筑後地方の北部に位置し、京都・北野天満宮が約1100年前に全国で初めての直轄地として選び「北野天満宮」を建てたところとして、由緒ある「北野町」の由来にもなっております。
千年以上前から豊かな自然に恵まれていたといわれる所以です。
「庭のうぐいす」の由来
ときは江戸天保年間、山口家の庭(現存)には、毎日のように天満宮からうぐいすがやってきてはうれしそうに湧き水で喉を潤し身体を清めていました。天神様のうぐいすに春眠を心地よく破られた山口家6代目当主山口利助は、その清き湧き水で酒造りを始めることを決意し、天神様に恥じない酒を造るとして天保3年(1832年)酒造業を開始することになり、その創業の精神が酒名の由来になっております。
こだわりの酒造り
当蔵は平成3年の二度の台風により壊滅的な打撃を受け、「ほぼすべての蔵を建替える必要があった」ほどに、屋根は吹き飛ばされ、惨憺たる状況になってしまいました。災害当初は、どうせならと酒蔵移転を考え、山間部に土地の確保までしましたが、やはり、江戸時代から慣れ親しんだ「水」と「空気」には代えることができるはずもなく、結局移転を断念、これを機に造りを大幅に小型化し、原料である米と水そして造り手の特徴が出やすい造りにかえました。原料は福岡・糸島産の山田錦、筑後産のレイホウを主に使用し、水は筑後川の伏流水を濾過せず、そのまま仕込みに使います。また、今年から、地元の農家の協力を得、自社田での酒米つくりを始めます。杜氏をはじめ蔵男・社員一同、皆様に喜んでいただける酒つくりを目指し、九州のすばらしい気候風土を酒を通して表現していきたいと思っております。
【蔵外観】
【蔵玄関 壱】
【不易流行】
【杜氏】
【洗米】
【蒸米】
【蒸米の掘り出し】
【麹造り】
【仕込蔵】
【袋吊り】
【きき酒】
【夜の蔵】
【蔵玄関から外を臨む】
【蔵玄関 弐】